シルバー再生します。

ちょっと前にご依頼頂いた、

シルバーを溶かして新しくカタチにする仕事です。

上のシルバーリング ×3本をお預かりしました。

これらを溶かして指輪を作る依頼でしたが、問題が一つ。

指輪の純度です。


2本はSV950、1本はSV925でした。

銀の純度が95%と、92.5%という意味です。

このまま溶かすと、純度が曖昧になってしまいます。

これでは”良いもの”とは言えません。

というわけで重さからそこに含まれる

銀と割金である銅の重さの差なんかをもろもろ計算して、

純銀を足す事によりぴったり”シルバーが95%”となるように調整をさせていただきました。


とりあえず溶かしてインゴットに。

これで約20gぐらいだったかな。


次にインゴットを伸ばして

今回作る指輪に必要な厚みに調整します。

厚み約1.5mm×幅10mm×長さは100mmちょい位ですね。
真ん中部分くらいに鬆(巣・ス)が出来てます。

溶かし固めたときに出来る空気孔ですが、今回はリングなので

ちょうど必要な分は切り出せたので関係なし。

バングルなどには使えないですね。


そしてリングを作って出来上がり。

お母様の思い出のリングが、

お母様と娘様のこれからの思い出を作る2本のリングになりました。

シルバーは溶かしたり、加工したり、時間が立ったりでも

本質的には変質・劣化しない素晴らしい金属です。

国が変わろうと、純度を表示するルールが大体統一されているということも

ありがたいです。


私も、加工してても手に馴染むというか、

触っていて心地よいのが不思議ですね。

眠ったままのシルバー、生まれ変わらせませんか?

ご自身で加工してみるのもおすすめです。

ちなみに余った材料はお返ししました。

金工舎